住まいを新築してからやがて訪れるリフォーム!
人の成長と変化と同じように、住まいも劣化すれば手直しが必要になります。
痛みや変化の程度によっては大きな手術~住まいのリノベーションもあるでしょう 。
欧米ではその度に住まいとしての価値が上がり、中古住宅の市場は活性化していることは以前の当ブログで述べた通りです。

人は成長に伴いそれぞれの個性が社会的に大きな価値を生み出していくのに、なぜ、わが日本では住まいの価値~魅力が経年劣化するのでしょうか?
それはリフォームやリノベーションにおいて業者とのトラブルが多いのもその一因となっています。それではトラブルが多い理由はなんでしょうか?
一言にいえば日本の住まいの供給システムの多くは官製型で、住まう私たちユーザーには対応していないからだと思います 。

住まいの新築は、多くの法規制をクリアした住宅会社が住宅展示場で、各ユーザーとの感性の食い違いを埋めて官庁の覚えめでたいので、問題が顕著には現れません! しかし住まいの手直しとなるとその様相は一変することになります。新築後の住まい方はそれぞれの各家庭によってまちまちであり、その個性に対応するリフォームやリノベーションのための住宅展示場は存在しません!
十人十色の個性には、法規制や効率性を超えて対応可能な技術個性集団が必要になります。
でもそんな集団は企業の中には馴染めないだろうし、経済性を追求せざるを得ない住宅会社には 「招かれざる社員」です。

住宅会社が悪いと言っている訳ではありません。
世の中は絶対的なものではなく、その時代に即応できる相対的な事象で動いています。ダイバーシティという個性あふれた今日、リフォームやリノベーションに個別に対処したい多くの技術者たちが実は巷には溢れていますが、問題はその運用システムです。
思うに世界有数の患者用ベッドと医師数を誇る日本が、欧米よりはるかに少ないコロナ感染者で、なぜ斯くも各自治体で医療崩壊の危険性が伴うのか? 医学と建築で分野は違えども、個人に対峙する住宅のセーフティーネットにもこれからの時代には対処できない大きな問題が潜んでいるような気がしています。