前回ブログ「コロナと住まい」に次ぐ第二弾です。

今春から蔓延したコロナウイルスは世界的にも日本国内でも終焉の兆しどころか未だに衰えず、却って増加の傾向さえ見受けられます。そんな中経済対策の一環として、トラベル(旅行)やイート(食事)を支援すべく国家的な補助事業として「GoToキャンペーン」が今秋より始まっています。感染の拡大リスクと隣り合わせのキャンペーンになりますが、国民の利用頻度の高さから判断して、諸外国の経済対策よりも一見活動的な有効な対策にも見えます。

しかし私たち日本人が「民度(意識)の高い国民」だとしても、かようなキャンペーンに前のめりになる背景を考えると、「民度の低い住まい」に甘んじているという見方もできるのではないでしょうか。
欧米諸外国では都市のロックダウンが頻繁に行われていますが、それは民度が低いからだと一方的に判断する前に、ロックダウン可能な「民度の高い住まい」があるからこそ可能な政策かもしれないと謙虚に受け取る姿勢が大事だと思います。

住まいは単にお金をかければいいというものではありません! 雨風・地震・寒さや暑さだけから身を守るだけでなく、住まう家族の生活を「見守る」舞台でもあります。 だから住まいは商品としての「箱もの」ではなく、家族を見守ってくれることに対しての感謝と愛着に満ちたものでもあります。だからこそ、欧州では親の造った住まいを安易に解体したりせず、改造や模様替えでその住まいを大事に守り、代々受け継いで生きます。

それゆえに古家ほど価値があり、住宅市場でも高値で取引されているのが実体です。
(※当ホームページ実績紹介欄のラスト「空き家対策」参照)

残念ながら、わが日本では多くの住まいは継承されずに解体を余儀なくされ、新築するため、空き家は価値がなく「空き家対策」は全国的に大きな住宅問題になっています。

経済成長に貢献することはあっても、真に豊かな生活を享受できない哀れさが実はそこに潜んでいるのではないでしょうか? 私たち日本の多くの住まいに感謝や愛着が湧かなければ、ロックダウンどころか「不要不出の外出を控える」要請をしばし守るだけでも大きなストレスを感じてしまう悲しい国民なのかもしれません。

以前住まいを造った時のお客さんの感想の一言は今でも一言一句忘れることはありません!

「今までは外に出かけるのが楽しみだったけど、この家に住んでからは家にいることが楽しみになりました」

お客さんと一緒に考えて造ったオンリーワンの住まいだったからでしょう!