最近、巷を賑わせているレオパレス問題。
この賃貸アパート大手のレオパレス21による施工不良問題は、発覚に至るまで実に20年以上経過していました。

チェックの最高機関である国の責任を問う声も多く聞かれますが、本質的な問題は建築工事システムの形~“カタチにあるのではないでしょうか?

レオパレスは工事主体であって、実際に工事するのは各職人です。
簡単に言えば“元請”と“下請け”です。元請の力が経済的にも物理的にも大きいほど下請けの力は反比例的に小さくなるのは自明の理でしょう。
生産性や効率性を謳う元請の初歩的な或いは独断的なミスでさえも、実際に工事する職人からの指摘や注意は無論、内部告発を決して許さない非合理的な国民性が残念ながらこの国にはあります。
行政チェックトップを以ってしても、「管理者の責任において書類完備している以上、工事全体をチェックするのは不可能」との答弁に終始して責任転換のループ現象です。

この傾向は残念ながら、戸建など含めた「住まい」全体に見受けられるようになってきています。
地域に根ざした大工棟梁達が主体で行動していた頃は左程ではなかったのですが、平成に入ってプレカット加工が主流になって来ると自体は大きく変化するようになりました。
住宅メーカーの台頭と躍進はレオパレス成らずとも住まいの“カタチ”を変えて、工事の牽制やチェック機能を大きく損なう危険を孕んでしまっているのです。
平成の負の遺産とも言える耐震偽装やレオパレス問題は、単なるアパートだけの問題ではなく、あらゆる住まいにも潜んでいます。

時代の変化に伴う大きな弊害にも、新しい“カタチ”を生み出して、乗り越える叡智を私たちの先達は築いて来ました。
一方的な元請への資金流通を断ち切り、元請と下請けの隷属関係を撤廃して同等の立場での牽制と同時に協力可能な新しい住まいの“カタチ”が、トライ・アングルのダブルチェックシステムであると信じています。
トライ・アングルの“カタチ”は単に総工事費のコストダウンが図れるだけでなく、資金の流通を並列させることによって工事職人と管理者のバランスを取り、意識と技術の向上・牽制と協力によるオンリーワン住宅として地域の文化創造に貢献できると確信しています。